「くずもち」は、西と東で違うのを知ったのは、
就職して東京に出てきてから。
関西では透明な「葛餅」。関東では、乳白色の「久寿餅」。
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大阪の生まれ育ちなので、(母は東京のひとでしたが)
東京で、「くず餅」を注文して、乳白色のものが出てきたときは、びっくり。

亀戸・船橋屋・くず餅
関西の「葛餅」は、葛粉からつくられ、
透明で涼しげな見た目です。夏のお菓子といえば、やはり、これ。
関東の「久寿餅」は、小麦デンプンから。
三角形に切りそろえられ、食感も「葛餅」よりかたく、
ほのかな酸味があります。

池上本門寺のくず餅
関東のもっちりした「久寿餅」。
亀戸天神や池上本門寺、川崎大師などの門前町の名産品となっています。

川崎大師・住吉屋本店のくず餅
じつは、「久寿餅」は麩と深い関係があるそうです。
精進料理の材料として、麩は、貴重なたんぱく源として豆腐とともに古くから愛されてきました。
麩は小麦粉から取り出したグルテンをもとに作られますが、
そのとき、水に溶けたデンプンが残ります。
そのデンプンを発酵させ蒸したものが「久寿餅」。
そういえば、川崎大師の住吉屋本店で食べた「麩まんじゅう」も
美味しかったなあ。

麩まんじゅう