作家・吉村喜彦のホームページ

日刊ゲンダイ(17年11月22日号)に
『二子玉川物語〜バー・リバーサイド2』の書評が掲載されました。

日刊ゲンダイ書評

(書評内容)

「美味美酒とともに描く客たちの人生ドラマ」

月曜の夕方、二子玉川のほとりにあるバー「リバーサイド」
の開店と同時に常連客の若松が来店する。

月曜日には彼が義父から継いだ寿司屋の休業日だった。

冷えたモヒートを口に運びながら、
若松は母親が遠足の弁当に持たせてくれたかんぴょう巻きについて
語りだす。

大阪で育った若松だが、母は東京出身だった。

当時はそのかんぴょう巻きが貧乏くさくて嫌だったが、
大人になって久しぶりに口にすると、
そのおいしさにびっくりしたという。

モヒートのミントの苦みのように、
食べものや飲みものには、苦みがたいせつなのだと
気がついたからだ。(「海からの風」)

マスター川原とアシスタントの琉平、
そして客たちの人生のドラマを美味美酒とともに描く
ハートフル・ストーリー。
(角川春樹事務所 540円)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です