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今日は、まずは、台北市内で最古のお寺である龍山寺(りゅうざんじ)にお参りに。

(台北の曇り空の下。龍山寺にお参り)
【(台北の曇り空の下。龍山寺にお参り)】

龍山寺のある辺りは、台北の起源ともいわれる古くからの街「艋舺(ばんか)」。
読み方は、バンカ or モンガで、
漢字では、「萬華」とも書きます。

このあたりは、映画「モンガに散る」の舞台になったエリアです。
この映画。
繁華街モンガを舞台に、極道の息子とその仲間5人組の青春を描いた映画です。
とてもせつなく、また、血わき肉おどる物語で、
本省人(ほんしょうじん)と外省人(がいしょうじん)の問題などもふくんだ、
台北を知るためには、必見の映画だと思います。

 

 

で、モンガ(艋舺、萬華)なんですが。

大阪の、天王寺や通天閣あたりと似た空気感があって、
なんか、くず湯につかったように、
「とろん」とした時間が流れています。

台北に行くと、かならず一度は「龍山寺」にお参りします。

台北に行くと、かならず一度は「龍山寺」にお参りします。

で、お参りの後は、遅い朝ごはん。
蒸し暑い気候なので、どうしても、さらさらしたものが食べたいのです。
龍山寺から歩いて5〜6分のところに、
「お粥」のお店を見つけました。
その名も「老艋舺鹹粥店」。

「老艋舺鹹粥店」

お店の外観はこんな感じ。
ツバメが数羽、空を滑るように飛んでいました。

龍山寺近くのこのあたりで、
小説『バー・リバーサイド』の中に出てくる台湾整体の周雪麗先生の
お祖母ちゃんが、古着屋さんをやっているんです。

「老艋舺鹹粥店」店内

鹹粥 20元。つまり、70円ちょっと!
【鹹粥 20元。つまり、70円ちょっと!】

「鹹」という字は、「塩辛い」という意味なんですが、
まったく塩辛くなく、ほんのり塩気を感じるくらいの上品さ。

お米の粒々が残っているタイプのお粥。
さらさらしていて、朝ごはんにぴったり。
これは、美味い!

これが70円なんて。
台北の朝食は、なんと豊かなんでしょう。

東京の食べものは、あまりに値段が高く、しかも不味い。

台北は、フツーにふらっと入ったお店が、おいしい。
食のレベルが違います。
食への執念が違うのでしょうね、きっと。

紅焼肉飯 60元。 220円ほど。
【紅焼肉飯 60元。 220円ほど。】

カリッと揚げた豚肉が、ご飯の上に載っています。
これまた、おいしい。
紅焼肉というのは、台湾風の豚カツ。
ですが、豚カツほど油っ気がなく、
サクサクしていて、これが、また、蒸し暑い気候に
フィットしてるんですね。

猪皮(豚の皮) 30元。 110円くらい。
【猪皮(豚の皮) 30元。 110円くらい。】

ぷにゅぷにゅした食感の豚の皮。
沖縄でも、豚の皮のお料理がありますが、
(とくに、有名なのがチラガーといって、顔のところの皮)
台湾の豚の皮も、おいしいですよ。
沖縄のチラガーよりも、もっとぷにゅりんとしていました。
これ、淡い味わいの台湾ビールにぴったり。

チキンの春巻き揚げ。 50元。 約180円。
【チキンの春巻き揚げ。 50元。 約180円。】

創業60年の提灯です。
【創業60年の提灯です。】

龍山寺の最寄りの駅は、MRT「龍山寺駅」。
駅から地上に出ると、公園があって、
おっちゃんたちが、何をするわけでもなく、
しゃべったり、缶ビール飲んだり、ベンチで眠ったりしています。
こんなところも、通天閣・新世界あたりとよく似ているんです。

艋舺(モンガ)とは、原住民のケダカランの言葉で、
「カヌー」を意味しているそうです。
「水」と関係した土地なんですね。
というのも、艋舺は、淡水河のすぐ近くに発達した街。
水運による交易で栄えた、リバーサイドの街なんですね。

やっぱり、整体の周雪麗先生のおばあちゃんが
古着屋を営むには、ぴったりの街だったんだと
あらためて思いました。

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