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インターFM ロバートハリスさんの「おとなのラジオ」

本日のお話は、「ジャック・ダニエル」。

全文はこんな感じ。

JD1

ジャックダニエルのブラック。

ぼくにとって、学生時代から憧れのお酒で、

サントリーに入って、ジャックダニエルの宣伝担当になったときは、とてもうれしかったです。

クラシカルなボトルシェイプ。

白と黒だけのラベル・デザイン、ロゴ・・すべてがカッコよかったんです。

     *

大学にいた1970年代前半、まだバーボンを飲むひとも少なく、

バーボンにはブルーズのイメージがありました。

クラプトンの「NO REASON TO CRY」というアルバムジャケットにはジム・ビームが映っていたし、

キースがジャックダニエル好きというのも有名でした。

 

そんなこんなで、「パブ」ではアーリータイムスをよくキープしていました。

でもジャックダニエルは、普通のバーボンよりもちょっと高くて、なかなか手が出せなかった。

 

買えるようになったのは社会人になってから。

飲み終えたボトルは、レコード棚の仕切りとして使ったりしてました。

 

JD2

 

ところで、ジャックダニエルは厳密にはバーボンではなく、テネシー・ウイスキーと言われます。

バーボンはトウモロコシが主な原料。

ジャックもそうなんですが、チャコールメロウイングという工程を加えるのが、違うところ。

 蒸留した後のウイスキーをサトウカエデの炭で濾過。

それがあのスムーズな口あたりを生んでいます。

 

ジャックダニエルは、昔から、この違いを差別化戦略として、

「テネシーウイスキー」と呼ぶようにしたんでしょう。

 

蒸留所は、テネシー州ナッシュビルから南へ、車で1時間。

人口400人ほどのリンチバーグという町にあります。

 ゆるやかにアップダウンを繰り返すみどりの丘のつづく、年中、春の日射しが注ぐような土地でした。

ウイスキー造りのおじさんたちが、のんびり仕事をしていました。

 

ジャックダニエルの味は、スイート。ヴァニラやキャラメルの香りがします。

「シッピング・ウイスキー」

 シップ、つまり啜るようにして大切に飲むウイスキーと言われます。

 

JD3

 

「バーボンは、ホワイトオークの内側を焦がした樽に寝かせるけど、

これは誰が考え出したのかわからない。

『どうすれば美味いウイスキーが造れるか』はわかるけど、『どうして美味しくなるのかはわからないんだ』」

とマスターブレンダーが言っていたのも面白かったです。

 

 HOWはわかるが、WHYはわからない。

これって、ものずくりに共通する深い言葉かもしれません。

 

JD4

 

 ジャックダニエルとは、創業者の名前。

かれは頑固で癇癪もちだったけど、なぜか、たいへん女性にもてたそうです。

 かれのお墓に行くと、その前に、墓参りの女性のためのベンチが一脚しつらえてありました。

 ジャックダニエルおじさんも自分がなぜ(WHY)女性にもてるか、わからなかったのかもしれません。

 

https://www.youtube.com/watch?v=tQjxIvcGGdE&list=RDtQjxIvcGGdE&start_radio=1

 

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