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テキーラは、スピリッツ業界ではすでに常任理事国入りをしています。

その筋では、ジン、ウオツカ、ラムと並ぶ四大スピリッツの1つと言われているらしいです。

ジンにはイギリス。

ウオツカにはロシア。

ラムにはイギリス、フランス、スペインという強力な後押しがあるのですが、

いかんせんテキーラには、これといった後ろ盾が感じられません。

 

 いわば、お歴々がパーティーでタキシードを着て居ならぶなか、

ソンブレロをかぶってギターを抱えてやってきた、

なんだか陽気で純朴、土臭いやつ──というのがテキーラ。

 

 有名になっても偉ぶらないキャラクターに、人知れずファンが多いようです。

 エラドゥーラ

「昨日はテキーラ飲んじゃってさ・・」

なんて二日酔いのときに、言われがちなのがちょっと、可哀想。

 じつは、ぼくも何度かそんなこと言ったおぼえがあります・・。

 何もテキーラが悪いんじゃない。飲み過ぎたおまえが悪いんだ、と自分を責めるべきでした。すみません。

「テキーラは敵ら」なんてことはありません。

    *

さて。

そんなテキーラ君の出身は、メキシコ中西部ハリスコ州テキーラ村。

あのカルロス・サンタナの出身地がハリスコ州なんですね。グアダラハラが州都です。

テキーラの原料は、ブルーアガベといわれる「竜舌蘭」。

その樹液と地下茎が大きくなった球茎(サトイモとかクワイなんかが典型的な球茎なんですが。あれを思い浮かべてください)、

そのアガベの球茎が使われます。

テキーラは、よくサボテンからできる、なんて思われていますが、それは間違いです。

    *

さて。そのアガベの球茎。

これ、直径80㎝、重さ40㎏ほどで、とっても大きいんですね。

アガベの球茎は、パイナップルを巨大にしたような感じ。なのでピニャ

(スペイン語でパイナップルのこと。トロピカルカクテル「ピニャコラーダ」のピニャですね)

 このピニャを蒸し上げて、発酵、蒸留。そして、熟成ということになります。

    *

テキーラはメキシコよりも、むしろアメリカで飲まれていて、

ロバート・デ・ニーロやクリント・イーストウッド、もちろんサンタナもテキーラ・ファン。

 

ストーンズのミック・ジャガーもテキーラをオレンジジュースで割った「テキーラ・サンライズ」というカクテルが好きだったのも有名です。

イーグルスにはその名も「テキーラ・サンライズ」という曲がありますよね。

テキーラストレート

ぼくはテキーラは、やっぱり、ストレートをショットグラスでやるのが好き。

親指と人さし指の間にライムをしぼり、

濡らしたところに塩をつけ、

塩をなめた直後にクイッ。

飲み終えたら、ライムをかじる。

チェイサーは、サングリータと呼ばれる

オレンジジュースとトマトジュースを割ったもの。

これがまた美味しい。

ロスアンジェルスやサンディエゴなどの乾いた空気、強烈な光のなかで飲むと、最高ですね。

テキーラは「光の酒」だと思います。

リキュールスピリッツ

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